あの日の朝
前日、捜索願を出すことはなかった。
携帯に電話を掛けるとコール音が鳴っていた。
このコール音が鳴る限り、携帯の電池は切れていないということがわかる。
彼女の携帯はバッテリーが劣化しており、充電しなければ一晩持たずして電池が切れてしまうことは明白だった。
そのため、コール音が聞こえる間は無事に活動しているであろうことが予想されたので捜索願を出すことはなかった。
そして朝。
なぜ自分が怒っているのか?
家を出て行ったのか?
そのことについて長文のラインが届いていた。
要約すると、以下になる。
「二日連続で飲みに行ったかと思うと、自分で行った時間も守らずに遅くまで帰ってこない。
飲んでいる間も浮気しているのではないかと気が気でない状態で過ごしていることについてどう思うか?
自分もしんどい中で家事等を頑張っているのになかったことにされるのは如何なものか?」
このことに対して淡々とラインで語り合った後、お互いにごめんなさいをして彼女の怒りはおさまった。
結局のところ、彼女は隣県のホテルに宿泊していたようで、目立った外傷などもなく無事に帰ってきた。
喧嘩の詳細を控えているので理解の及ばない点も多々あると思うが、彼女が風呂に入っている間になんとか振り絞って書いているので許してほしい。
ひとまずの所、大きな問題もなく日常を取り戻すことができた。
もう時期アラフォーになろうという大人が、すぐに自殺を仄めかして家を出ていくというのは、果たして私には到底理解できない。
本当の意味で彼女と分かり合える日が来るのであろうか?